こんにちは、キクタ(@qikta)です。
横浜美術館で開催されている「マリー・アントワネット・スタイル」へ行ってきました。
開幕から3週間近く経ったタイミングでしたが、会場には多くの人が訪れていました。マリー・アントワネットへの関心の高さを感じます。
僕は普段、絵画を中心とした美術館へ行くことが多いのですが、今回はドレス、ジュエリー、椅子、食器などが並ぶ展示です。絵の前に立つときとは違い、素材の質感や立体的な形をいろいろな角度から見る時間がとても新鮮でした。
なかでも僕が注目したのは、「首飾り事件」のネックレスの一部と伝わるダイヤモンドと、マリー・アントワネットの処刑に用いられたとされるギロチンの刃です。
『ベルサイユのばら』や『イノサン』が大好きで、フランス文化やフランス革命に興味を持ってきた僕にとって、本や漫画のなかにあった歴史を日本で見られたのは本当にうれしい体験でした。
この記事では、ドレスやジュエリーを見た感想、首飾り事件の「サザーランド・ダイヤモンド」、ギロチンの刃、当日の混雑と購入したグッズについて紹介します。

「マリー・アントワネット・スタイル」の開催概要

「マリー・アントワネット・スタイル」は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画した世界巡回展です。日本では横浜美術館だけで開催されます。
会場には、ドレス、ジュエリー、家具、絵画、版画、写真など約200点が集結。18世紀後半の歴史的なファッションから2025年のオートクチュールまで、約250年にわたるマリー・アントワネットのスタイルと影響をたどります。
V&Aの所蔵品だけでなく、国内所蔵の関連作品約20点を加えた日本オリジナルの構成です。マリー・アントワネットの旧蔵品やゆかりの品も10点あまり展示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名 | マリー・アントワネット・スタイル |
| 会期 | 2026年8月1日(土)〜11月23日(月・祝) |
| 会場 | 横浜美術館 |
| 開館時間 | 10:00〜18:00(11月21日・22日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで |
| 休館日 | 木曜日(8月13日、9月24日、11月19日は開館) |
| 観覧料 | 一般2,500円、大学生1,600円、中学・高校生1,000円、小学生以下無料 |
| アクセス | みなとみらい駅3番出口から徒歩3分、桜木町駅から徒歩10分 |
会期中には一部作品の展示替えがあります。目当ての作品がある方は、事前に公式の作品リストを確認しておくと安心です。

絵画中心の美術館とは違う新鮮さ

会場へ入ると、まず驚いたのが展示されているものの幅広さでした。
18世紀の宮廷服や、マリー・アントワネット旧蔵と推定されるコートドレスの断片、靴、扇、ジュエリー、香水瓶、食器、椅子まであります。
王妃の肖像画だけを見るのではなく、当時の装いと暮らしを形づくったものを一つずつ見ていく展示。



マリー・アントワネットの肘かけ椅子は、1788年にサン=クルー城の化粧室のためにつくられ、王妃が実際に使ったものです。背もたれの上には、バラとギンバイカに囲まれた「MA」のモノグラムが入っています。
このモノグラムがめちゃオシャレなんですよね。


普段の僕は絵の色や筆づかいを見ながら会場を進みます。今回は、ドレスの横への広がり、布の重なり、ジュエリーの細工、椅子の背もたれに施された装飾へ自然と目が向きました。
同じ美術館でも、見る場所がまったく違いますね。
平面の作品を中心に見てきた僕には、それがとても新鮮でした。
形の違うドレスから伝わる当時の流行

ドレスの展示では、マリー・アントワネットの時代に着用されたさまざまな形の衣裳を見比べられます。
格式の高い「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」、背中から腰へ身体に沿う「ローブ・ア・ラングレーズ」、スカートをたくし上げてドレープをつくる「ローブ・ア・ラ・ポロネーズ」。名前を知らなくても、シルエットの違いを実物で見るだけで面白いです。
マリー・アントワネットは、堅苦しい宮廷の慣習に挑みながら、衣裳だけでなくインテリア、音楽、ライフスタイルにも自分の好みを反映しました。その装いは社交界で流行する一方、贅沢の象徴として批判の対象にもなっていきます。

展示の後半では、王妃の死後に仮装舞踏会で取り入れられたドレスや、1920年代のジャンヌ・ランバン、現代のデザイナーによる衣裳も登場します。
ここを見ているとマリー・アントワネットとフェルゼンの出会いを思い出しますね。
一人の王妃が生み出したスタイルが、時代ごとに形を変えながら250年も続いている。ドレスを順番に見ていくと、その長さがよく分かりました。
ジュエリーはどれも美しかった

ジュエリーの展示は、どれも本当にきれいでした。
ダイヤモンドを使ったボウ形の装飾、イヤリング、ブレスレットの留め具、ネックレス。宝石と金属の細かな組み合わせまで見ていると、なかなか次へ進めません。
なかには、マリー・アントワネットが所有していた天然真珠119粒を連ねた、真珠とダイヤモンドの3連ネックレスもありました。
革命の前に王妃がフランス国外へ運ばせ、のちに娘のマリー・テレーズへ継承された品で、日本では今回が初公開のようです。

歴史的な背景を知らなくても、まず目に入るのは宝石の輝きでした。
美しい。
「首飾り事件」のサザーランド・ダイヤモンド

今回、僕が特に見たかったのが、通称「サザーランド・ダイヤモンド」です。
1784年から1785年に起きた「首飾り事件」では、詐欺師ジャンヌ・ド・ラ・モットが王妃との親交を装い、ロアン枢機卿をだまして高額なダイヤモンドの首飾りを入手しました。
マリー・アントワネット本人は事件に関与していませんでしたが、王妃の名を使った大事件によって評判は大きく傷つきます。
元の首飾りは事件のなかで分解され、ダイヤモンドは売却のためイギリスへ渡りました。今回展示されているサザーランド・ダイヤモンドは、その一部と伝わる石をネックレスに仕立てたものです。
公式資料によると、中央の一粒だけで約15カラット。インドのゴルコンダ産と考えられ、歴代のサザーランド公爵夫人へ受け継がれてきました。

ただし、元の首飾りの一部であることが確定しているわけではありません。V&Aも「伝承によって結びつけられている」と説明しています。
それでも、そのダイヤモンドが目の前にあることに興奮しました。
『ベルサイユのばら』や『イノサン』を通して知っていた首飾り事件。その歴史につながる品を、今回日本で見られたのが本当にうれしかったです。
物語として追ってきた出来事が、急に現実の重さを持ったように感じました。
ギロチンの刃は特級呪物のようだった

華やかなドレスやジュエリーが続く一方で、フランス革命と王妃の死を扱う小さなコーナーもあります。
そこに展示されていたのが、1791年から1793年頃にフランス革命で使われたギロチンの刃です。マダム・タッソー・ロンドンのアーカイヴが所蔵し、マリー・アントワネットの処刑に用いられたと伝えられています。
作品リスト上の名称は「フランス革命で用いられたギロチンの刃」。王妃の処刑に使われたことはあくまで伝承ですが、フランス革命期の実物とされる刃が目の前にあるだけで緊張しました。
所蔵元のマダム・タッソーによると、この刃は19世紀半ばに、シャルル=アンリ・サンソンの孫で同じく死刑執行人だったクレマン=アンリ・サンソンから購入されました。1854年の台帳には、ギロチンの刃への支払いも記録されています。


『イノサン』を読んで、死刑執行人シャルル=アンリ・サンソンの物語を追っていた僕には、簡単に通り過ぎられない展示です。
あの時代のギロチンが、海を越えて日本に来ている。
そう考えると、かなりドキドキしました。近づいて、まじまじと見てしまいます。
正直、特級呪物かと思いました。
きれいなものへの高揚と、歴史の怖さが同じ会場にある。その落差も、今回の展覧会で強く印象に残ったところです。
マリー・アントワネットは今も作品のなかにいる




展示はフランス革命で終わりません。
19世紀にマリー・アントワネットへ憧れた皇后ウジェニーや、1920年代のファッション、現代のオートクチュール、ソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』の衣裳と靴へ続きます。
マリー・アントワネットが残したのは、18世紀の流行だけではありません。華やかな王妃、悲劇の王妃、自由に装う女性など、時代ごとに異なるイメージがつくられてきました。



会場には、『ベルサイユのばら』でオスカルが本展の「近衛応援隊長」を務める公式コラボのフォトスポットも用意されていました。
オスカルの姿と向き合うマリー。とても美しいです。
こうしたコラボからも、王妃のイメージが現在まで続いていることが分かります。
開幕から3週間近く経っても多くの人が来ていた

僕が訪れたのは、開幕から3週間近く経ったタイミングです。それでも会場には多くの人が来ていました。
今回は待ち時間を正確に計っていないため、何分待ちとは言えません。ただ、展示ケースの前では人が重なる場面もあり、人気の高さを感じる混み方でした。
横浜美術館によると、10時の開館直後から午前中は待ち列が長くなる傾向があります。チケットはオンラインでの事前購入がおすすめ。
展示室は作品保護のため21℃前後に設定されています。夏でも、寒さが気になる方は薄い羽織りものがあると安心です。
また、「撮影不可」のマークがある作品を除き、会場内では写真を撮れます。動画、フラッシュ、三脚、自撮り棒は使えません。記事やSNSへ載せる場合は、ほかの来場者の映り込みにも注意が必要です。
お土産にマグネットとポストカード、お菓子を購入

展覧会を見終えたあとは、特設ショップへ向かいました。
僕が購入したのは、マグネットとポストカード、お菓子です。

大きな図録やグッズをたくさん買うのも楽しいですが、今回はマグネットとポストカードを購入しました。
家へ帰ってからも、会場で見たドレスやジュエリーを思い出せるのがうれしいです。


お菓子の缶ケースにはチェーンの付いたジュエリーが入っています。色はランダムとなっています。
こういった遊び心も、マリーアントワネットのようでとても素敵ですね。
グッズの在庫やショップの混雑状況は、展覧会公式のグッズ情報Xで更新されています。目当ての商品がある方は、来場前に確認しておくとよさそうです。
まとめ|フランス革命に興味がある僕にもたまらない展示だった

横浜美術館の「マリー・アントワネット・スタイル」は、ドレスやジュエリーの華やかさだけを見る展覧会ではありませんでした。
王妃が生み出した流行、当時の暮らしを伝える椅子や食器、評判を失墜させた首飾り事件、そして革命と処刑。その後も繰り返しつくられてきたマリー・アントワネット像まで、一つの会場でたどれます。
普段は絵画の美術館へ行くことが多い僕にとって、衣裳やジュエリー、家具をじっくり見る時間はとても新鮮でした。
なかでも、首飾り事件の一部と伝わるサザーランド・ダイヤモンドと、フランス革命期のギロチンの刃を日本で見られたのは忘れられません。
『ベルサイユのばら』や『イノサン』が好きな方、フランス文化やフランス革命に興味がある方にも、ぜひ見てほしい展示です。
とっても楽しかった。




